築97年、広い玄関土間に田の字型和室が連なる間取り。2階建てのように見えて実は平屋造り。その秘密は当時、薪などを備蓄する為の広くて高さのある小屋裏空間「タカ」のある造りによるもの。そのタカスペースも今回の改修で新たに部屋として活用する事に。
玄関土間から踊り場、踊り場から部屋、部屋から縁側。どこにいくにも“段差”があり部屋は仕切られていて動線が悪くそして寒い、今の暮らしでは使わなくなった広いタカスペースを有効活用できないか?そんなご不便を感じられていました。今回それらのお悩みを解消するべく間仕切りを取り払い、解消できる段差はすべて解消し、当時の面影や貴重な部分は残しつつ改修させて頂きました。
タカに物を上げる為に当時玄関は吹き抜け空間となっていました。タカスペースを居室、収納として新たに活用する為の階段を玄関吹き抜け空間に設置。階段設置による空間の圧迫を和らげるために空中に浮いているような仕様の階段を設けました。階段途中の踊り場からは、当時、プチ屋根裏収納としてあった空間をご主人の趣味の部屋として改修し、そこに出入りができるように。タカスペースを活用した居室には大きな梁にハンモックが吊るされています。ここは奥様やお子さんたちが帰省された時の寝室として活用されます。
LDK空間は黒く年季の入った立派な梁や柱を表しにして、高さをめいっぱい活用した解放感のある空間に。窓の性能をあげ断熱改修を行っている為、冷暖房もしっかり効き快適です。LDK続きの和室は当時の扉や障子、欄間を補修活用しながら明るいお部屋へ。寝室は小上がり収納付きの畳スペースとし布団をしいてお休みになれます。アクセントの壁紙にもこだわりました。
中庭側は、リビングから続く広いデッキを設置。リビングダイニングの大きな窓から桜や季節の移ろいを楽しむことができます。
これからの暮らしがより楽しく、より豊かになりますように。